2焦点ハウス、新潟、2008

写真: ヒューチャースケープ建築設計事務所

弥彦山と角田山の2つの山を望む、新潟平野西端に位置する。
クライアントは、山の眺望を希望したが、実際には、前の家に遮られ、角田山は見えず、今は見える弥彦山の眺望も、将来はどうなるか不安定だった。
例え、見えなくなっても、2つの山は、この場所のアイデンティティーであり、狭い敷地の向こうの、大きな世界を示唆する。山の存在を、生活しながら意識する羅針盤として、この住宅を設計した。

「2つの焦点」

 家の正面は、敷地の角度とは無関係な2つの斜め面から構成されている。一つは、住宅の中心から弥彦山に、もう一つは、角田山に向かう軸の直交面である。
将来の変化も想定すれば、直交面の開口部が提供するのは、「山の見える風景」ではなく、周囲が変化しようとも、大きく変わることなく存在し続ける、「山の暗示」である。そして、ここはまた、その2つの山系が交差する場となる。
 
「引き伸ばされた1階」と「縮められた2階」 

1階の長い廊下の両端には、鏡が張られている。鏡の効果で、廊下の奥行は引き伸ばされ、実際以上に、距離が長く演出される。
窓からの高照度の光と、濃い色の壁との輝度差により、照度は明るいにもかかわらず、壁の暗さが際立っている。どれも、2階との対比をつくるためだった。
2階は、2つの直交面に向かって、放射状に開いている。
平面的には、壁や家具を放射状に配置し、断面的には、奥から窓に向かって、天井に上向き勾配を付けている。そうすることで、1階とは対照的に、逆パースペクティブが、奥行を縮め、山を近づけて行く。
2つの直交面は、鈍角でぶつかる。平面や直角の窓とは違い、環境の中に、室内が、やわらかく入り込んで行く効果を生み出し、街に対しては、突き出す形となり、小さな灯台のようなランドマークとなった。

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