写真 © Forward stroke Inc.
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TK

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場所
千葉
2008

広大な三角形のボイド

JR津田沼駅南口駅前には35haの広大な三角形のボイドがあり、平成27年の完成を目指して土地区画整理事業が進んでいる。今回の敷地はその区画の駅とは反対側の一辺に接してあり、今のところ駅前まで見通すことのできる広大な畑の眺望がある。運良く敷地が隣接する部分は近隣公園となり、前面道路は拡幅され、歩道には街路樹も植えられる予定である。いずれにしろ、環境は近い将来、大きく変化する。

光と音のリフレクター

前面道路は比較的交通量が多くその騒音が懸念された。したがって東側に眺望が良いからと言って、無条件に開いた構成をとることもできなかった。眺望を楽しむためには開きたいが、騒音を遮断するためには閉ざしたいという矛盾した条件があった。そこで、居室部分はなるべく敷地の道路と反対側の西側に寄せて、道路境界に壁を立て、中庭をバッファーゾーンとして交通騒音の減衰をねらった。この道路境界の壁は2つの機能をもつ。1つは交通騒音を反射する。もう1つは南からの光を反射し室内に柔らかい光を導く。つまり取り入れたい光と排除したい音の反射板として働く。

3つの三角形の開口

三角形の敷地なりにボリュームを立ち上げ、北側斜線により北側を低くした片流れの屋根形状を決め、このボリュームのコーナー部分を斜めに切り落とすように、大きさの異なる3つの三角形の開口をつくっている。

一番大きな三角形は東側に広がる眺望を楽しむために開けられた開口である。東側と南側の壁の斜めの稜線と屋根の庇の先端で規定された建物全体の長さを持ち、小さな住宅であるが隣接する都市的なスケールに呼応している。

2つ目の中ぐらいの三角形は北側のコーナーの下の部分を斜めに切り落としてできた開口で、人や車の建物に対する出入り口として機能する。あえて高さをぎりぎりまで抑え、玄関まわりのスペースが道路に対して開き過ぎないようにした。

3つ目の小さな三角形は南西の上部のコーナーを斜めに切り落としてできたトップライトである。隣接建物の隙間に位置するこのコーナーには1日中、日が当たるので、光を建物に取り入れるための開口となっている。またジェームス・タレルの作品のようなエッジのディテールにより距離感のない絵画のような空を眺めることができる。

眺め、出入り、光という3つのものを取り入れるという建築の開口がもつ本質的な機能を大中小の3つの三角形の開口が象徴しているとも言える。この3つの三角形の開口により、住宅という日常的な要求に縛られた空間に異なる質を与えられないかと考えた。

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