Villa Escargot

千葉県
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
写真 © Koichi Torimura
図面 © Takeshi Hirobe
建築家
廣部剛司建築研究所
場所
千葉県
2014

人の居場所をどのように「囲い取る」のか、それは住宅街よりも自然と対峙している環境に建築を構築するときに、より意識させられる。それゆえに建築自体は強く自立的に建ち上がっていて欲しいと、最初に敷地を訪れてからずっと考えていた。

敷地は海岸線から200mほど離れた高台にある。背後に崖とそれに沿って生える樹木を背負い、前面は東京湾を望む水平線と共にある。それらとの関係を考えながら、週末住居として扱いやすい規模であり、かつ敷地の広さを有効に使ったプランが求められた。またクライアントからは、2階からも海を眺めたい、風景を空まで切り取って見える場所も欲しいという要望があったため、高さ方向にある程度のボリュームが必要とされる設計条件だった。

三角形の袖壁に沿って玄関に入ると、いったん外部への視界は遮られ、光のグラデーションのなかに置かれる。そして、2階床のある部分に向かって上昇していく折板空間と、そこに配置された半円形の水廻り。対比的な構成を感じながら光に向かっていくと一気に海への風景が広がる。さらにリビングに進むと視界は空まで縦方向に大きく抜ける。そして風景を高く切り取る場所をピークに一気に絞り込み、浴室エリアの向こうでまた着地させた。内部のシークエンスを旋律のように扱い、和声を組み上げるように空間をリンクさせていったのだ。

ここでは、連続している「面」を強調するために構造体は露出せず、内部は眠り目地の合板で仕上げている。この素材の選択は、この建築の空間性をより強く顕してくれるのではないかと考えた。

三角形連続体の動きを規定しているのは、アクティビティであり、水勾配であり、敷地に挿入されたときの量感だ。それは結果として地面にゴロンと置かれた巻貝のような佇まいを生み出すこととなった。

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