アース・ブリックスは、アトリエ・天工人が進める土Projectの実物件一棟目であり、日本で初めての土を構造体とした住宅です。大学・企業とプロジェクトチームを組み、研究・実験を繰り返し、土と自然添加物を原料として構造強度を満たした土ブロックの組積壁を開発されました。
勾玉形状に詰まれた外壁は、400mmx250mmx100mmの土ブロック約2500個を全て手作業で作成し、自ら積上げて外壁を施工しています。素材には、グラソアを積上げたハイサイドライト、LVLの間仕切り壁とロフトスラブ、床の人研仕上げ等「密度」を選定。2つのトップライトから入り込む柔らかい光で、壁のもつ力強さを引き出すと共に、空間に深みを与えています。
勾玉形状に詰まれた外壁は、400mmx250mmx100mmの土ブロック約2500個を全て手作業で作成し、自ら積上げて外壁を施工しています。素材には、グラソアを積上げたハイサイドライト、LVLの間仕切り壁とロフトスラブ、床の人研仕上げ等「密度」を選定。2つのトップライトから入り込む柔らかい光で、壁のもつ力強さを引き出すと共に、空間に深みを与えています。
道路から建物外観
今回のプロジェクトの基本概念、設計プロセスについてご説明下さい。
4年前から、私と2つの大学と数社の企業との「土」を使った構造体の研究会が始まった。その過程で土の中に混ぜる材料が酸化マグネシウム(MgO)と決まった。理由としては、酸化マグネシウムは素人が使用しても安全であること。水(H2O)と化学反応を起こして、必要な構造強度が確保されること。完全に自然界の中で循環する材料であることが理由となった。
4年前から、私と2つの大学と数社の企業との「土」を使った構造体の研究会が始まった。その過程で土の中に混ぜる材料が酸化マグネシウム(MgO)と決まった。理由としては、酸化マグネシウムは素人が使用しても安全であること。水(H2O)と化学反応を起こして、必要な構造強度が確保されること。完全に自然界の中で循環する材料であることが理由となった。
道路から建物外観を見る
プロジェクトを引き受けることになった経緯についてご説明ください。
大学での材料実験及び構造実験を行う中で、新しい構造体としての可能性が見えてきた時に、個人住宅の依頼が私にあり、そのクライアントに土の説明や実験を見てもらいメリット、デメリットを共有する中で、世界で初めての構造体の住宅を建てたいとの依頼を受けた。
大学での材料実験及び構造実験を行う中で、新しい構造体としての可能性が見えてきた時に、個人住宅の依頼が私にあり、そのクライアントに土の説明や実験を見てもらいメリット、デメリットを共有する中で、世界で初めての構造体の住宅を建てたいとの依頼を受けた。
トップライトと天井を見上げる
計画、設計された建築と実際に完成した作品との違いはありましたか?
問題解決するにあたって、困難だった点、工夫された点などがあれば教えて下さい。
初めての素材だったこともあり、想像し得ないことも多かった。
2500個の土ブロックを制作したのは殆どが私の事務所のスタッフである。平均8名のスタッフが6ヶ月かけて制作し、4名のスタッフが3ヶ月かけて積み上げた。当然、プロの職人の監修がある中で行ったが、自然乾燥をすることで強度を確保するため、天気に左右されることが多く、大変な苦労をした。
問題解決するにあたって、困難だった点、工夫された点などがあれば教えて下さい。
初めての素材だったこともあり、想像し得ないことも多かった。
2500個の土ブロックを制作したのは殆どが私の事務所のスタッフである。平均8名のスタッフが6ヶ月かけて制作し、4名のスタッフが3ヶ月かけて積み上げた。当然、プロの職人の監修がある中で行ったが、自然乾燥をすることで強度を確保するため、天気に左右されることが多く、大変な苦労をした。
キッチンからリビングを見る
これまでの作品と比較して、今回のプロジェクトはどのような違い、共通点がありますか?
私は建築家としては、多くの構造材で実験・検証を行ったり、特許を獲得しながら使用していると思う。その中でも今回の「土+酸化マグネシウム」での構造体の開発は時間がかかり、ハードな作業だった。しかし、環境の世紀という重要な時代に完全リサイクル素材を研究できたことは幸せである。
私は建築家としては、多くの構造材で実験・検証を行ったり、特許を獲得しながら使用していると思う。その中でも今回の「土+酸化マグネシウム」での構造体の開発は時間がかかり、ハードな作業だった。しかし、環境の世紀という重要な時代に完全リサイクル素材を研究できたことは幸せである。
リビングからキッチンを見る
設計にあたり、いつも気をつけていることや大事にしている点は何ですか?
建築はクライアントの要望を一番に考えるということ。それと合わせて、社会の状況を読み取り、社会への還元を行うという意識を常に持っていることが重要だと思う。
そして、それぞれのプロジェクトの中にテーマを見つけ、実行に移すことを行っている
建築はクライアントの要望を一番に考えるということ。それと合わせて、社会の状況を読み取り、社会への還元を行うという意識を常に持っていることが重要だと思う。
そして、それぞれのプロジェクトの中にテーマを見つけ、実行に移すことを行っている
平面図
現代建築の流れの中で、今回のプロジェクトはどのような位置づけとお考えですか? サステイナビリティー、社会、環境、技術などの視点からお答え下さい。
現代建築の中で先端だと思っている。これからはより身近な素材を新たな視点で編集しなおし、開発すことが重要だと思っているから。その中で「土」は世界で誰でもが一番安く手に入れられる素材だと思っている。日本の諺に「最後は土に帰る」という言葉どおりに環境的にも負荷がゼロであり、火星でさえ建築が可能な素材であるということからも先端である
現代建築の中で先端だと思っている。これからはより身近な素材を新たな視点で編集しなおし、開発すことが重要だと思っているから。その中で「土」は世界で誰でもが一番安く手に入れられる素材だと思っている。日本の諺に「最後は土に帰る」という言葉どおりに環境的にも負荷がゼロであり、火星でさえ建築が可能な素材であるということからも先端である
断面図
今回のプロジェクトから学ばれたことは何ですか?今後の設計活動に活かされること、課題などに ついてご説明下さい。
広く素材を見直す機会となったことは嬉しい。この「土」の材料に関してはまだまだ実験を継続中である。課題となるのは、強度の安定性と制作するための簡易機械化。東北の津波の被害を受けた土の構造の実験も行っている。ちゃんとした検証を行った後、地元の住民とのコラボレートによる数十個の倉庫が完成する予定である。
聞き手:八木夕菜
広く素材を見直す機会となったことは嬉しい。この「土」の材料に関してはまだまだ実験を継続中である。課題となるのは、強度の安定性と制作するための簡易機械化。東北の津波の被害を受けた土の構造の実験も行っている。ちゃんとした検証を行った後、地元の住民とのコラボレートによる数十個の倉庫が完成する予定である。
聞き手:八木夕菜
アース・ブリックス
2011
千葉県千葉市
建築設計
株式会社 アトリエ・天工人
東京
設計代表者
山下保博
意匠設計
山下保博+髙田昌彦/アトリエ・天工人
構造設計
佐藤淳+三原悠子/佐藤淳構造設計事務所
設備監修
遠藤和広/EOSplus
照明設計
金谷末子/ビジュアル・テクノロジー研究所
施工会社
アトリエ・天工人、小川共立建設
建設管理者
髙田昌彦+髙木亮+石井あずさ/アトリエ・天工人
合田吉郎/小川共立建設
実験監修
東京大学 松村・藤田研究室+早稲田大学 輿石研究室
主な製品/ プロダクト
土ブロック(オリジナル)
グラソア(電気硝子建材)
敷地面積
188.52㎡
延床面積
41.39㎡
写真
傍島利浩
2011
千葉県千葉市
建築設計
株式会社 アトリエ・天工人
東京
設計代表者
山下保博
意匠設計
山下保博+髙田昌彦/アトリエ・天工人
構造設計
佐藤淳+三原悠子/佐藤淳構造設計事務所
設備監修
遠藤和広/EOSplus
照明設計
金谷末子/ビジュアル・テクノロジー研究所
施工会社
アトリエ・天工人、小川共立建設
建設管理者
髙田昌彦+髙木亮+石井あずさ/アトリエ・天工人
合田吉郎/小川共立建設
実験監修
東京大学 松村・藤田研究室+早稲田大学 輿石研究室
主な製品/ プロダクト
土ブロック(オリジナル)
グラソア(電気硝子建材)
敷地面積
188.52㎡
延床面積
41.39㎡
写真
傍島利浩
Agenda
2013.05.25
Osaka Central Public Hall (Osakashi Chuo Kokaido)








