御陣屋の家

敷地は愛媛県西条市の遠景は山系で囲まれた平地。幅員の狭い前面道路や敷地四方が住宅や工場に囲まれるという、市街地と変わらない環境であった。四方のうち一方は実家の醤油工場、もう一方は両親の住まいが並ぶ。家業を継ぐために東京から帰ってきた若夫婦と子供たち。シンプルな都会での暮らし方を継続しながら、この敷地環境のよさも最大限取り込んだ住宅を目指した。ローカルな環境とはいえ集落のなかに建つケースであれば、必ずしも景色がよいという訳ではない。本敷地も、ゆとりのある広さであるがこのケースに当てはまるため、遠景の恵まれた眺望をグランドレベルから見ることが難しい。また将来、この新居と工場の間に事務所を建築予定である。
まず山系の眺望を取り込むために2階を暮らしの中心に置いた。1階は寝室、子供室などの個室が並ぶ。リビングを挟むように東西それぞれにバルコニーを配置し、景色のよい西側バルコニーは半階上げて、工場の建つ東側バルコニーは半階下げる。景色のよい東側バルコニーの床レベルに合わせるかたちでダイニングキッチンを配置することで、緩やかに領域を分けると共に、場所によって様々な風景を楽しくことができた。もう一方の東側バルコニーからは直接グランドレベルに接続できる。その途中にバルコニーからアクセスする離れの和室を配置。さらに、将来東側バルコニーのガラスウォールを取り外すことで、事務所屋上につながる計画としている。生活の中心は2階であるが、バルコニーを上下にスキップさせることで、美しい遠景の風景を取り込み、グランドレベルの生活とのつながりをつくりだせたのではと思う。
場所
愛媛
Year of completion
2015