三井ガーデンホテル大阪プレミア

大阪のビジネス街である、中之島に「感性豊かなお客様の五感を満たすホテル」という理念のもとにオープンした、「三井ガーデンホテル 大阪プレミア」。神奈川県を拠点に活躍するランドスケープデザイン事務所、STGK(スタジオ ゲン クマガイ)がランドスケープデザインを手がけられました。

オフィス街に開けたホテルの庭の在り方や、客室から見下ろす景色にもこだわりデザインされたという、「三井ガーデンホテル 大阪プレミア」のランドスケープデザインについて、STGKの代表、熊谷玄氏にお話を伺いました。
ホテルエントランスから庭を見る
プロジェクトの概要をご説明下さい。

ホテルのコンセプトである「洗練された日本らしさ」がランドスケープデザインのテーマとなりました。日本料理の世界では、器と料理の間に花や葉など生きた緑を添えて、季節を楽しむ「かいしき」というおもてなしの形式があります。そういった日本人ならではの洗練された気配りや癒しで満たされた風景を描こうと、 「かいしきの庭」をコンセプトにランドスケープを展開しました。全て樹種の異なる厳選された桜の木をはじめ、風の動きや水面のきらめきを可視化するなど、繊細な自然の移ろいを、おもてなしの形として敷地全体に散りばめました。
2Fペデストリアンデッキから庭を見る
市松模様に組み込まれるトクサ
設計プロセスの中で特に大切にされた点、もしくは設計の手がかりとされた点は何ですか?

計画地を含めた中之島地区全体がダイナミックに更新されている中で、中之島全域で計画されている桜の取り入れ方、そして桜がもたらす季節感の表現がプロジェクトの中で重要なポイントとなりました。
庭入り口からホテルエントランスを見る
4月、一斉に咲き誇る桜
ホテルエントランスから庭を見る
今回のプロジェクトを通して、解決するべき課題、特に困難だった点は何ですか?工夫された点、導入した手法などがありましたらご説明下さい。

計画地は、多くの人々が行き交うオフィス街の一角で、庭に与えられたスペースもそれほど大きなものではありませんでした。その中で、街の人々に取っては、日常を潤す豊かな公園空間として存在し、ホテル利用者にとっては、ホテルの宿泊体験を特別なものにしてくれる庭として存在するという2面性の表現が求められました。そこでわれわれは、市松という日本古来のパターンをランダムに崩しながら敷地全体に用いることでそれらがある場所では通路となり、またある場所では視線を制御するスクリーンとなるなど、一つの庭としてのアイデンティティを保ちながら、いる場所、見る場所によって様々な見え方ができるつくりを目指しました。
桜の模様を施した特注の行灯照明
桜の模様を施した特注の行灯照明
16F女子浴場から「白の庭」を見る
庭全体夕暮れ
今回のプロジェクトから学ばれたことは何ですか?今後の設計活動に活かされること、課題などについてご説明下さい。 

街に開かれたホテルの庭という本プロジェクトのあり方は、単に庭を計画するのではなく、街のコンテクストのなかでどうあるべきか?という問題を我々に投げかけてくれました。
配置図  ( Drawing ©: STGK )
断面図  ( Drawing ©: STGK )
イメージパース  ( Visualization ©: STGK )

Eメール インタビュー:八木夕菜
三井ガーデンホテル大阪プレミア
2014
大阪


ランドスケープデザイン
STGK

ランドスケープ設計代表者
熊谷玄 

プロジェクトメンバー
久万奈都子

建築基本設計
株式会社日建設計

実施設計・施工
清水建設株式会社

インテリアデザイン
三井デザインテック株式会社

施工会社
清水建設株式会社

敷地面積
1,933.89 ㎡

建築面積
1,105 ㎡

延床面積
12,741.89 ㎡ 

写真
奥村浩司